東京23区内の大学定員厳守は地方創生に繋がるのか?

東京23区内の大学定員厳守は地方創生に繋がるのか?

こんにちは。かとまさです。

さて、今回のテーマは「地方創生」と「東京23区内の私立大学の定員」に関する話題です。政府は1月19日に東京一極集中を是正する法案の概要を発表しました。その内容は、23区内にある大学の定員増を10年間認めず、地方大学の創生などへの助成を強化するというもの。これを受けてなのか、首都圏ローカルのNHKで19日の夜に放送された「金曜イチから」では、昨年度の入試で起こった都内の私立大学の合格者減少を取り上げていました。

地方出身で、今東京で学生生活を送っている僕なりに、ニュースなどを見て思った感想を書き残しておきたいと思います。

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東京23区内にある私立大学の合格者数に異変!?

僕は今、大学1年です。ちょうど、僕の学年が受けた2017年度入試から都心の私立大学の合格者数がとても減っているらしいのです。調べてみると、超有名な私立大学(早稲田や慶応、MARCHなど)がこぞって合格者を減らしていました。

私立大学といえば、国立大の併願者などを考慮し、決まっている定員よりも多く合格を出します。もちろん、その傾向は変わっていません。しかし、国の方針で定員を厳守した大学に対して助成を行う、などの方策がちょうど僕が受けた去年の入試あたりから始まっていたようなのです。

そのため、先ほど挙げた私立大学は定員厳守とまでは行かないものの、1000人、2000人規模で合格者数をそれぞれ減らしています。19日放送のNHKの番組「金曜イチから」でも、「A判定なのに不合格だった」とか、「太鼓判を押したのに落ちてしまった」などの声が複数、学生や予備校関係者から挙げられていることが紹介されました。

このように、都心にある大学の合格者の減少はすでに始まっている「異変」だったのです。

都心の大学生を減らすことは地方創生どころか日本の活気すら奪うのでは…

ここからは完全なる持論です。

日本の大学の歴史を紐解くと、1960年代に国公立大学がこぞって郊外へと移転している経緯があります。これは、国の大学立地政策によるもので、例えば、僕の地元の鳥取にある鳥取大学は1966年に市の中心部に近いエリアから郊外へと移転しています。他にも、東京都内だと目黒区にあった東京学芸大学は1964年に23区外の小金井市へ移転しているなど、この時代に大学はどんどん郊外へと進出していきました。(大学立地政策は2002年に廃止)

そして、地方都市の中心部はどうなったでしょうか?

僕は1998年生まれなので、1960年の鳥取の景色なんて全く知りません。が、以前何かの機会に読んだ鳥取の中心市街地について書かれた文献を読むと、学生の活気が街にあったことが見て取れました。もちろん、当時は学生が郊外へ移動したからといっても、人口流出は今ほどひどい状況ではなかっただろうと思います。そのため、政府としても大学移転の影響はそこまで大きくない、むしろ、経済成長が進んでいた当時からすれば、学生は郊外に行ってもらい、経済を都市の中心部でやるべきだというような考えだったのでしょう。

しかし、今の中心市街地はというと、シャッターが閉まっている店が目立ち、若者の姿は少ない。一方、郊外に進出した鳥取大学の周辺は商店街やアーケードがないものの、ある程度は活気付いています。

なぜ、地方都市の活気を二分してしまったのか。中心市街地に学生の活気を残していれば、今の鳥取はいい意味で変わっていたかもしれません。

もし、東京から大学生を遠ざけ、地方へ分散してしまうことになれば、東京の活気にまでも影を落とすのではないかと、僕は危惧しています。確かに、今の東京は人口過多で、全国の大学生の約2割が東京にいます。だからこそ、東京には最新の技術や知識が集まっているのだと思います。

地方への分散が始まり、東京での学ぶ機会を奪うようなことがあれば、日本全体の疲弊につながりかねない。「上京した学生も地元へ戻って就職するケースが少ないために東京一極集中になっている。だから、大学生を地方に持って行こう!」という考えなのでしょうが、それでは日本の技術レベルの低下が進むだろうと考えます。

東京で最新の技術や知識を学び、地方の企業へ就職することの方がよっぽど日本全体の活性化には役立つ、と僕は信じています。そもそも、地方への就職者を増やすことが目的のように見える今回の政策。それならば、政府は学生の学ぶ機会を減らそうとするのではなく、大企業の地方移転や、地方の中小企業の採用情報のPRにかかる費用の助成などを推進すべきだと思います。



地方で学べる学問には限りがある

地方から上京する学生の理由に、都会への憧れが大きいことは間違い無いです。しかし、現実的な悩みがあるのも事実です。それは、地方大学の学部の種類です。

例えば、僕が今通っている商学部を例に挙げてみましょう。鳥取県内には4年制大学が3つありますが、そのうち1つは看護大学です。残る2つは鳥取大学と公立鳥取環境大学です。

鳥取大学の文系学部は地域学部のみで、あとは工学部や農学部、医学部といった理系学部ばかりです。一方の公立鳥取環境大学は環境学部と経営学部のみ。

商学部と経営学部では被る部分もありますが、偏差値やビジネスを学ぶ環境としての鳥取を見ると、県外の大学に進学することを選ぶ気持ちも何となくわかっていただけると思います。文系の看板のような文学部や法学部がないのでは、文系学生の流失はやむを得ないですよね。

今回挙げたのは商学部ですが、文系学部の数の少なさは地方大学にとって大きな問題の1つです。

数年前に上がった国立大学の文系学部再編というニュースも、文系学生にとっては大きな痛手だったりします。この再編の波が、より高校生の足を都会へ向けているとも捉えられます。

そうやって見ると、「地方から文系学生を締め出す→都会の学生数も減らす→文系の行くさきが無くなる」なんてシナリオまで見えちゃいますね…。(短絡的すぎますが笑)

浪人が増えるだけ

いくら東京23区内の合格者数を減らそうとも、行きたい学部や大学を譲れないという気持ちがあり、かつ、経済的な余裕もあれば浪人を選ぶ人が増えるだけ、という気がします。

予備校業界にはイイ話のようにも聞こえますが、実情がわからないので明言は避けておきます。

ただ、今年(2018年)のセンター試験における浪人受験者(既卒生)の割合は昨年より増加しているという傾向を見れば、門戸を狭くしただけで地方学生の増加を見込むようなことは期待できないのではないかと思います。

まとめ

受験生を擁護するようなテイストで書いていますが、結局は都心の大学に入学したいのであれば、より上を目指して勉強することが第一な気がします。

なので、地方創生を名目に合格者数を減らしたとしても、都心の大学を目指したい人は目指し続けるし、もともと地方の大学に進学したかった人はそちらを選ぶという事実は変わらないと思います。

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